F値の制限

光学系から点$q'$までの距離$l$が大きい極限を考える。 光学系への光線の入射高を$h$とすると $h=l\sin\theta'$であり、また$M=f/l$。

図 3.2: 物体が遠くにあるとき

従って(3.3)は

$$n'h=nf\sin\theta$$ (3.4)

と書き直せる。F値は

$$F=\frac f{2h}=\frac{n'}{2n}\frac 1{\sin\theta}$$

となるのでその下限は

$$0.5\times\frac{n'}n$$

であり普通は$n=n'(=1)$なので$0.5$である。

Zeissが$F=0.3$のレンズを試作したという説があるが、 $n>n'$となるように像面側を油（かガラス）で満たしているのだろう （または作り話か）。